2011年3月11日、テレビカメラが回る現場で直接津波の脅威に直面した芸能人たちがいました。その筆頭が、宮城県出身のお笑いコンビ・サンドウィッチマン(伊達みきお・富澤たけし)です。
彼らは当日、テレビ番組のロケで宮城県気仙沼市の内湾沿いに位置する市場を訪れていました。14時46分、立っていられないほどの激しい揺れに襲われた直後、地元の撮影スタッフや市場関係者の「津波が来る、山へ逃げろ!」という叫び声に従い、内陸の高台である安波山(あんばさん)へと車と徒歩で緊急避難しました。彼らが山頂付近に到達したわずか数十分後、眼下の気仙沼市街地は黒い津波に呑み込まれ、火災の煙に包まれる地獄絵図へと変貌しました。
携帯電話も通じず、氷点下の寒さの中で夜を明かした彼らの安否は東京の所属事務所にも届かず、全国のファンから悲鳴に近い安否確認が寄せられました。翌日、彼らは無事に下山し、ラジオやブログを通じて生存を報告。その際の発信が、どれほど多くの被災者や関係者を勇気づけたかは計り知れません。現場で生死を分けたのは、「過去の津波経験を持つ地元住民の迅速な避難判断に一切の疑いを持たず従ったこと」でした。
また、同じく宮城県出身の狩野英孝も、実家である栗原市の櫻田山神社で被災しました。内陸部であったため津波被害は免れたものの、震度7の激震により神社の鳥居が倒壊し、本殿も甚大な損壊を受けました。彼もまた数日間にわたり孤立状態となり、ネット上では一時「行方不明・死亡説」が飛び交う事態となりましたが、避難所での生活を経て無事が確認されました。