2012年5月にリリースされ、後に名盤アルバム『blues』にも収録された『日曜日』。この楽曲の凄みは、劇的なドラマや甘い言葉を歌うのではなく、徹底して「ありふれた休日の生活感」に焦点を当てている点にあります。
象徴的なのが、食卓に並ぶスープをめぐる情景描写です。味付けや具材の出来栄え、何気なく交わされる会話のぎこちなさ。そこには着飾ったデートの風景ではなく、生活を共にするふたりの摩擦と、それでも手放せない愛着がリアルに刻まれています。世の中に溢れるラブソングが「運命の恋」や「永遠の愛」を高らかに謳いあげるのに対し、清水依与吏さんが描くのは「不完全なふたりが、不完全なまま並んで歩く日常」です。
完璧ではないからこそ愛おしいという感情。この地に足の着いた恋愛観こそが、背伸びをせず等身大で生きたいと願う現代リスナーの琴線に触れ、時代を経ても色褪せない共感ソングとして支持され続ける理由です。