民間のレジャー施設のみならず、各地の公立動物園でも一般入園料が数百円から千円程度に設定されるケースが主流の中、大宮公園小動物園が完全無料を維持し続けている理由は、その設立母体と都市計画上の位置づけにあります。
本園は1953年(昭和28年)に創設された歴史ある県営施設です。大宮公園全体が埼玉県民の保健休養および自然環境保全を目的とした基幹都市公園として指定されており、園内の小動物園も独立採算を前提とした単独レジャー施設ではなく、「公園利用者に向けた無償の教養・環境教育機能」の一部として県予算から維持管理費が拠出されています。
入場ゲートを設けて改札やチケット販売窓口を設置・運用する場合、券売機システムの導入費や改札専任スタッフの人件費といった固定費が新たに発生します。大宮公園小動物園ではあえてチケット管理を撤廃し、公園の遊歩道からシームレスに立ち寄れる構造を維持することで、管理コストを最小限に抑制。限られた県予算を動物の飼育管理費や飼料費、獣医師によるヘルスケアに集中投下する合理的な運営スタイルを確立しています。