都内のスーパー銭湯といえば、近代的なビル型施設やアミューズメント性を重視した店舗が多い中、明神の湯は一線を画す純和風の湯屋建築を採用しています。暖簾をくぐった瞬間に広がる木の香りと落ち着いた照明は、23区内にいることを忘れさせるほどの静けさです。
この施設が長年にわたり温浴メディアやランキングで高く評価される最大の理由は、地下深くから汲み上げられる天然温泉の力強さにあります。東京の温泉といえば茶褐色の「黒湯(モール泉)」が広く知られていますが、足立区大谷田に湧き出るお湯は、太古の海水が地層に閉じ込められて熟成された「化石海水型」のナトリウム-塩化物強塩温泉です。
湯冷め知らずの「濃密塩化物強塩泉」と青森ヒバ香る内湯・露天風呂
露天エリアの岩風呂に満たされている源泉は、鉄分やヨウ素を豊富に含み、空気に触れることで独特の黄褐色〜茶褐色へと変化します。実際に湯船に身を沈めると、肌にずっしりと絡みつくような重厚な湯ざわりを感じられます。唇に少し触れるだけでも強い塩気を感じるほどの高濃度であり、この塩分が皮膚の表面に付着して汗の蒸発を防ぐため、「冬場でも帰宅するまでポカポカが続く」と評されるほどの保温効果を発揮します。
温度設定が異なる複数の浴槽が用意されている点も、温泉好きの心を掴んで離しません。加温を抑えた源泉かけ流し仕様のぬる湯(人肌程度の約36〜38℃前後)と、しっかりと温まれるあつ湯を組み合わせた「交互浴」を楽しむ常連客の姿が多く見られます。また、内湯の主役である「ひばり湯(大檜風呂)」には高級木材の青森ヒバが惜しみなく使われており、浴室全体に立ち込める清々しい木の香りが、視覚と嗅覚の両面から深いリラクゼーションへと誘います。
サウナー必見!高温ドライサウナ・よもぎ蒸し風呂と広々とした水風呂
温泉の陰に隠れがちですが、明神の湯はサウナ環境の完成度も都内トップクラスです。メインの高温サウナ(ドライサウナ)は、約90℃前後の王道セッティング。スタジアム形式の広々とした座面が確保されており、湿度と熱のバランスが絶妙なため、息苦しさを感じることなく短時間で玉のような汗が噴き出します。
さらに特筆すべきは、高温サウナの隣に設置された「塩よもぎ蒸し風呂(スチームサウナ)」の存在です。濃厚なよもぎの薬草スチームが充満する室内は、呼吸器や肌に優しく、ドライサウナの熱さが苦手な人や美容意識の高い層から絶大な支持を得ています。
火照った体を冷ます水風呂は、サウナ室のすぐ目の前という完璧な動線上に配置されています。水温は16℃〜17℃前後で安定しており、複数人が足を伸ばして同時に浸かれる深さと広さを完備。その後、植栽に囲まれた露天風呂エリアのベンチやデッキチェアへ移動すれば、吹き抜ける外気とともに極上の「ととのい」を体験できます。