芸能史における名場面として語り継がれているのが、1994年10月の大野智のジャニーズ事務所(現STARTO ENTERTAINMENT)入所秘話です。
当時中学2年生だった大野は、芸能界にまったく興味がありませんでした。しかし、母親が内緒で事務所へ履歴書を送付。書類審査を通過した際、オーディションへ行くことを頑なに拒否する大野に対し、母親はこう言い放ちました。
「あんたなんかが受かるわけないんだから、行くだけ行ってきなさい」
この飾り気のない一言に背中を押され、会場へ向かった大野。ダンス審査中、リズムに乗れず会場の後方に立っていた大野は、客席後方で見学していた母親を見つけ、笑顔で手を振り返していました。その様子を目撃したジャニー喜多川氏から「YOU、何やってるの? 前に来ちゃいなよ」と手招きされ、前列で即興の動きを披露したことが合格へとつながりました。
母親の気負わせない言葉と、親子の屈託のないやり取りが、図らずも希代のアイドルの才能を発掘させる引き金となったのです。