東京の街歩きにおいて、スマートフォンの天気予報アプリに表示される気温だけを鵜呑みにするのは危険です。東京という大都市には、地方都市とは大きく異なる独自の環境要因が存在します。
第1の落とし穴は、地下鉄・電車内の過剰空調です。外気が冷え込む時期でも、満員電車や地下鉄の駅構内は人の熱気と暖房で室温が25℃近くまで上昇することがあります。厚手のニットや脱ぎにくい重防寒アウターを着込んでいると、車内で不快な汗をかき、地上に出た瞬間にその汗が気化熱で奪われて急激な悪寒を覚える原因になります。
第2の要因は、丸の内、新宿、汐留などの高層ビル街で吹き荒れる強烈なビル風です。気象台の観測値が18℃であっても、秒速数メートルの風に晒されると体感温度は13〜14℃程度まで急降下します。数値上の暖かさに油断せず、風を遮るナイロン系・ポリエステル系のライトアウターや、首元を守るスカーフを鞄に忍ばせておくことが、都会での快適性を左右します。