喫煙者の身だしなみとして避けて通れないのが、前歯の裏や歯間に付着するステインです。歯科臨床の観点から見ると、歯の着色は「唾液中の糖タンパク質が形成する薄い膜(ペリクル)」にタバコのタールが酸化結合することで強固に沈着します。
紙巻きタバコを毎日1箱吸う成人の場合、わずか数ヶ月で歯の裏側が茶色く染まりますが、グローを吸うモニターを対象とした歯科観察では、明確な茶渋状のヤニ汚れはほぼ付着しないことが実証されています。海外の独立研究機関によるエナメル質着色試験でも、加熱式タバコによる着色指数は紙巻きタバコに比べて約10分の1以下に抑制されることが報告されています。
しかしながら、完全なメンテナンスフリーではありません。グローに含まれるニコチン自体は無色ですが、空気に触れて酸化すると淡黄色に変化します。日頃からコーヒーや緑茶、赤ワインを好む人の場合、グローのエアロゾルが歯の表面のペリクルを変性させ、ポリフェノールの沈着をわずかに促進する複合リスクが指摘されています。