インターネット上で「加瀬豊」と検索すると、「映画.com」や「allcinema」といった映画専門データベースサイトにその名前がヒットするため、「息子だけでなく父親も映画に出ているのか?」「同姓同名の別人ではないか?」と疑問を抱く読者が少なくありません。
検証の結果、映画サイトにクレジットされている「加瀬豊」は、間違いなく双日元社長の加瀬豊氏本人です。なぜ生粋の商社マンである同氏が映画のスタッフロールに名を連ねているのか、その理由は双日株式会社のビジネス領域と深い関わりがあります。
- コンテンツビジネスへの出資:総合商社である双日は、資源やインフラだけでなく、映画やアニメなどの映像コンテンツ製作委員会への出資ビジネスも手掛けていました。
- 製作総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)としての名義:加瀬氏が社長・役員を務めていた2000年代中盤から後半にかけて、双日が幹事会社や出資社として関わった映画作品(たとえば2005年公開の『ローレライ』や2006年公開の『チェケラッチョ!!』など)において、出資元企業の代表者として「製作」や「エグゼクティブ・プロデューサー」のクレジットに名前が刻まれたのです。
つまり、加瀬豊氏が自らメガホンを取ったり演技をしたりしたわけではなく、「映画ファンド・製作委員会に出資する企業のトップ」というビジネス上の立場から映画データベースに登録されているのが真相です。結果として、同じ映画データベース内に父(製作陣)と息子(俳優)の名前が並ぶという、極めて珍しい現象が起きています。