観光地価格の華やかなランチとは対極に位置し、糸島市民の日常の食卓として絶大な支持を集めているのが「糸島食堂 ほもり」です。暖簾をくぐると、香ばしいラードとニンニクが焼ける匂いが漂い、厨房から威勢の良い声が響きます。
福岡ソウルフード「鉄板焼肉」と濃厚ちゃんぽんの威力
「ほもり」を訪れた客の多くが注文する看板メニューが、福岡B級グルメの代表格である鉄板焼肉です。熱々に熱せられた黒い鉄板の上に、豚のハラミ肉(サガリ)と大量のキャベツが山盛りにされ、ジュージューという激しい音と湯気を立てながら運ばれてきます。
食べ方には福岡ならではの作法があります。テーブルに備え付けられた小さな「木の棒(添え木)」を鉄板の片側の下に敷き、鉄板を斜めに傾けるのです。すると、傾いた低い方へ肉汁と特製の油が溜まります。そこに卓上の秘伝の辛味噌(ヤンニョム風のニンニク唐辛子味噌)を溶かし込み、肉とキャベツを絡めて白飯と一緒にかき込みます。シャキシャキのキャベツの甘みと、パンチの効いた辛味噌、噛むほどに旨味が溢れる肉のコンビネーションは、一度食べると病みつきになる中毒性を持っています。
もう一つの名物である「ちゃんぽん」も見逃せません。豚骨と鶏ガラをベースにした濃厚でありながら後味のすっきりしたスープに、炒めたての野菜と魚介の旨味が溶け込み、モチモチの太麺と絶妙に絡み合います。1,000円前後の予算で満腹になれる圧倒的なコスパこそが、同店の最大の武器です。