メディア上では完全に「悪役」として描かれ続けた野村沙知代さんですが、親交のあった関係者の証言からはまったく異なる人物像が浮かび上がってきます。近年、テレビ番組等で注目を集めたのが、元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂氏による回顧録です。
ヤクルトスワローズ時代に野村克也監督のもとでプレーした長嶋一茂氏は、メディアが騒ぎ立てる「傲慢な猛妻」というイメージとは裏腹に、沙知代さんから向けられた温かい気配りや母性的な優しさを度々証言しています。球場や私生活で会った際には常に体調や家族のことを気遣い、礼儀作法には人一倍厳しかったものの、身内や気に入った後輩にはとことん尽くす情の深さを持っていたといいます。
世間が叩きつける猛烈なバッシングの渦中にあっても、沙知代さんは決して弱音を吐かず、メディアの前で謝罪することを選びませんでした。この「他人に弱みを見せない」という徹底した美学こそが、世間からの反発をさらに強める原因となった一方で、野村克也氏が生涯にわたり彼女を深く愛し、庇い続けた最大の理由でもありました。