制御装置は楠雄の超能力を完全に消し去るものではなく、あくまで「楠雄が自覚的にコントロールできるレベルまで能力の出力を削ぎ落とす」ためのバルブに過ぎません。したがって、この装置が頭部から抜け落ちたり、破損したりした瞬間、楠雄の力は文字通り制御不能(オーバーヒート)に陥ります。
1. 体育祭での脱落事件と全人類テレパシー汚染
作中で最も読者に衝撃を与えたトラブルの一つが、PK学園の体育祭で起きたアクシデントです。競技中の接触によって頭部の制御装置が偶発的に抜け落ちた瞬間、楠雄はその場に倒れ込み昏睡状態に陥りました。同時に、抑制されていたテレパシー能力が無制限に解放され、楠雄の思考波が日本中、さらには地球全域の人間へと強制送信される事態へと発展しました。楠雄が無意識に発した悪夢のような思念が周囲の人々の脳内に直接響き渡り、放置すれば精神崩壊を引き起こしかねない極限状態が生み出されたのです。
2. 修学旅行での球体破損と「うっかり」の大破壊
沖縄への修学旅行中、寝ぼけた楠雄が無意識に頭部の球体を破損させてしまったエピソードでは、能力の出力調整が効かなくなる恐怖が描かれました。抑制が外れた楠雄は、蚊を叩こうと手を合わせただけで衝撃波が衝撃壁を貫通し、くしゃみをしただけで部屋の壁を吹き飛ばすなど、些細な生理現象がそのまま大量破壊兵器のトリガーとなってしまいます。わずかな出力のズレが日本列島の沈没に直結する緊張感の中、楠雄は極度の神経戦を強いられることになりました。
3. 石化や透視能力の暴走
楠雄の超能力には、制御装置以外にも肉眼で直視した者を石に変えてしまう「石化能力」(緑色のメガネで遮断)や、視界の遮蔽物を勝手に透過してしまう「透視能力」が存在します。制御装置が故障するとこれらの受動型能力(パッシブスキル)のブレーキも完全に解除され、メガネをかけていても周囲の人間が次々と石像化の危機に瀕するなど、平穏なスクールライフとは程遠い阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されました。