浅草の伝統的な町並みと見事に対峙しながら調和を見せる浅草文化観光センターの建築は、新国立競技場などを設計した隈研吾建築都市設計事務所が手がけました。その設計思想の中核にあるのは「伝統的な平屋の町家を垂直に8段積み重ねる」という革新的なコンセプトです。
外観を覆うスギ板の縦ルーバー(羽目板)は、太陽の光をやわらげて内部に落とし込み、雷門の瓦屋根や提灯が醸し出す和の風情と共鳴します。各フロアは天井高や傾斜が異なり、フロアごとに切り取られる外の風景の角度が緻密に計算されています。建築ファンであれば、1階エントランスから上層階を見上げた際の立体的な木質空間の迫力や、エレベーターホールの陰影表現に目を奪われるはずです。