花頭(花そのもの)だけが完璧でも、付属する植物パーツのデッサンが破綻しているとイラスト全体のリアリティは損なわれます。自然な雰囲気を生み出すには、つぼみ 葉っぱ 茎の解剖学的特徴を押さえておく必要があります。
まず、バラの葉は「奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)」と呼ばれる構造を持ち、1本の細い葉柄に対して3枚または5枚の小葉がセットで付きます。葉の縁には細かなギザギザ(鋸歯・きょし)があり、葉脈は中央から斜め上に向かって伸びています。これを単純な笹の葉のように1枚ずつ茎から直接生やしてしまうと、観葉植物のような違和感が生じるため注意が必要です。
茎に生えるトゲも重要なアクセントです。トゲは直角に突き刺さっているのではなく、茎のカーブに沿って先端が下向きにわずかに曲がっています。また、つぼみを描く際は花びらが完全に露出している状態ではなく、尖った萼(がく)がしっかりと蕾の根元を抱きしめている構造を意識すると、初々しさと植物としての力強さを両立できます。