吾峠呼世晴先生による原作コミックス第152話において、青銀乱残光は見開き2ページを贅沢に使った「無数の拳の軌道が幾重にも交錯する幾何学的な閃光」として描かれました。静止画でありながら読者の網膜に青白い閃光を焼き付ける圧倒的なコマ割りは、読者の想像力に委ねられた究極の連撃でした。
映画『鬼滅の刃 無限城編』におけるufotableのバトル作画は、このコマの間に存在した「時間と空間の連続性」を徹底的に再構築しています。作画陣は単に残像を描き連ねるのではなく、猗窩座の骨格が打撃を放つ予備動作から、拳圧が空気を裂いて衝撃波(空気弾)へと変わる瞬間、そしてそれが義勇の刀身に衝突して火花と水飛沫を散らすプロセスを、コマ送りでも崩れない精密さで描き出しました。
特にカメラワークの立体感は劇場版ならではの演出です。無限城という重力が歪んだ多層空間を縦横無尽に突き抜けるダイナミックなカメラの軌道に乗せて、青白い残光が城の障子や床を粉砕しながら義勇を包囲していく様は、観客に「回避不可能な暴力の檻」に閉じ込められたかのような錯覚を抱かせます。