足跡が1つだけでなく、連続して残っている場合は、その「歩行パターン(トラッキング)」を見ることで100%に近い精度で犬か猫かを断定できます。野生動物の調査員やフィールドワーカーが最も重視するアプローチです。
猫の歩行ラインは「一本の細い直線」を描きます。これは猫が非常に慎重な肉食動物であり、歩行時に後ろ足を「直前に前足がついた全く同じ位置」に着地させる「側対歩・ダイレクトレジスター」と呼ばれる歩き方をするためです。枯れ枝を踏んで音を立てるリスクを最小限に抑える生存本能の表れであり、雪道には規則正しい1列の足跡がすっきりと並びます。
対照的に、犬の歩行ラインは「左右にふらふらと蛇行するジグザグ線」になります。犬は嗅覚情報を追いながら探索行動を取る習性があり、好奇心の赴くままに進行方向を変えます。さらに、前足の着地点と後ろ足の着地点が左右にズレるため、足跡は2列または千鳥足のような幅のある配置になります。歩幅(ストライド)も一定ではなく、急な加速や減速の跡が顕著に残るのが犬の特徴です。