Is radwimps『Hinomaru』は何が問題だった?騒動の疑問と真実を完全攻略法 worth your attention? Discover the full picture in our dedicated article.

『HINOMARU』騒動の根底には、日本近代史が抱える特有の集合的トラウマと、戦後社会におけるナショナリズムの捉え方の複雑さがあります。

欧米のポピュラー音楽シーンに目を向けると、ブルース・スプリングスティーンの『Born in the U.S.A.』や、英国のブリットポップにおけるユニオンジャックの多用など、自国のアイデンティティや国旗を作品のモチーフにすることは珍しくありません(もちろん、それらが体制批判やアイロニーを含む場合も多々あります)。しかし、日本においては第二次世界大戦における軍国主義教育や戦争責任の歴史的経緯から、「国旗(日の丸)」「国歌(君が代)」「愛国心」という記号そのものが、排外主義や軍靴の響きと直結して知覚されやすいという特異な土壌が存在します。

社会心理学的に見れば、戦後日本のリベラリズムは「国家への忠誠」を警戒し、個人の自律と平和主義を最優先する規範を形成してきました。そのため、若者に圧倒的な支持を持つロックバンドが無邪気に愛国的・古典的シンボルを用いたことに対し、「警戒心のない右傾化」「国家主義のカジュアル化」として知識人層が強い危機感を抱いたのです。一方で、冷戦構造が終わり、国家間の緊張がリアリズムとして意識される若い世代にとっては、「自分の国を好きと言ってなぜ怒られるのか」という素朴な疑問が生じ、世代間・思想間の決定的な分断が顕在化しました。