ライブカメラで「今なら富士山が綺麗に見えている!」と確認できたら、次はいよいよ現地での移動と撮影スポット選びです。しかし、実際に三保松原を訪れた観光客のSNSや口コミ掲示板(Yahoo!知恵袋や旅行サイトのレビュー)を検証すると、ある共通した「戸惑いの声」が浮かび上がってきます。
「駐車場に車を停めて『みほしるべ』から海岸に出たけれど、ポストカードやライブカメラで見たような富士山と松林が重なる景色が見つからない」「砂浜が広すぎて、どこまで歩けばいいのか分からず疲れてしまった」というリアルな体験談です。
現在、三保松原の観光拠点となっているのは、静岡市三保松原文化創造センター「みほしるべ」です。神の道と呼ばれる美しい松並木の参道を抜け、御穂神社との結びつきを感じながら歩を進めると、正面に名勝「羽衣の松(三代目)」が現れます。この周辺は週末や大型連休になると多くの観光客で賑わい、午前10時を過ぎる頃には無料駐車場が満車に近い状態となることも珍しくありません。
しかし、前述の通り「羽衣の松」のすぐ目の前の海岸(羽衣海岸)は、富士山を撮影するには角度が浅すぎます。ライブカメラや浮世絵(歌川広重の『六十余州名所図会』など)に描かれるような、「手前に弓なりの砂浜と松林、奥に雄大な富士山」という絶景撮影スポットへ辿り着くには、羽衣の松から海岸線を左(北東方向・鎌ヶ崎方面)へ向かって、砂浜または松林内の遊歩道を約500メートル〜1キロメートルほど歩く必要があるのです。
現地を歩き慣れた風景写真家や地元の常連客は、羽衣の松の周辺で立ち止まらず、波打ち際を北東の「鎌ヶ崎(かまがさき)」方向へと迷わず進んでいきます。距離にして徒歩10分〜15分ほど北上すると、視界を遮っていた手前の松林が美しいカーブを描いてフレームの左側に収まり、そのすぐ右奥に遮るもののない富士山が姿を現します。ここが、三保松原における真のベストポジションです。