構造としての骨格が整ったら、次はキャラクターの属性に応じたディテールを付加していきます。同じ「手を差し伸べる」ポーズであっても、対象が華奢な女の子なのか、あるいは保護を必要とする子供なのかによって、線の描き味は大きく異なります。
手を差し伸べる女の子のイラストを描く場合、関節の角張りを極力削ぎ落とすことが鉄則です。成人男性の手を描くときは腱(けん)の筋やくるぶしのような骨の隆起を強調しますが、女の子の手ではそれらを滑らかな曲線に置き換えます。親指の付け根にある母指球のふくらみをふんわりと柔らかく描き、指先に向けてわずかに細くなるテーパーラインを意識すると、可憐さと温かみが同時に宿ります。
また、大人が子供に手を差し伸べるイラストを構成する場合、際立たせるべきは「圧倒的なスケール比」と「包容力」です。子供の小さな手のひらは大人の親指と人差し指で包み込めるほどの対比で描き、差し伸べる大人の手は指先をわずかに緩め、迎え入れるようなカーブを作ります。すがりつく子供側の指にはしっかりと力を込めさせ、受け止める側は脱力させることで、「救う側と救われる側」の心理コントラストがエモーショナルに浮かび上がります。