新宿三丁目の飲み歩きを成功させる鍵は、路地ごとの文化的グラデーションを把握することにあります。このエリアは碁盤の目のように細い通りが交差しており、通りを一本隔てるだけで客層と店舗の趣向がガラリと変わります。
まず、昭和の風情を色濃く残すのが末広通りです。落語の定席である「新宿末廣亭」を中心に広がるこのエリアには、老舗の居酒屋や焼き鳥の名店、町中華が軒を連ねます。夕暮れ時になると赤ちょうちんが灯り、演芸帰りの常連客や近隣で働く編集者らが集い、気取らない酒盃を交わす光景が見られます。料理のクオリティに対して価格が良心的で、「安く済ませる」のではなく「旨いものを適正価格で味わう」文化が根付いています。
一方、靖国通り寄りの要通りや明治通り周辺は、カジュアルなワインビストロやクラフトビールバー、深夜営業を強みとするネオ大衆酒場が目立ちます。新宿三丁目は東京メトロ丸ノ内線・副都心線、都営新宿線の3路線が乗り入れており、金曜の夜には終電間際まで賑わいが途絶えません。地下鉄直結の利便性と路地のディープさが共存している点が、この街ならではの魅力です。