長崎歴史文化博物館で開催されている「綴プロジェクト」展は、テクノロジーと伝統文化が互いを排斥し合うのではなく、高次元で補完し合えることを証明した画期的な展覧会です。失われゆく文化財の記憶をデジタルアーカイブとして永遠に固定し、精緻な複製品として一般に開放することで、文化財は「厳重に閉じ込められた宝」から「人々が日常で触れ合える生きた遺産」へと脱皮を遂げました。
国宝『風神雷神図屏風』の金箔の煌めきを息がかかるほどの距離で見つめ、歴史の舞台である長崎の地で『南蛮屏風』の壮大な航海ロマンに思いを馳せる時間は、既存の美術展では決して得られない鮮烈な感動を与えてくれます。会期中に長崎を訪れる機会がある方は、歴史散策のメインルートにぜひ本展を組み込み、新時代の文化体験をその目で確かめてみてください。