サンリオの王道キャラクターであるハローキティやマイメロディが「前向きさ」「可愛らしさ」を前面に出しているのに対し、ぐでたまの魅力は徹底した「脱力系デザイン」にあります。なぜ人々は、この無気力な卵のイラストに強烈な「かわいさ」を感じるのでしょうか。
社会心理学の観点から見ると、ぐでたまは現代日本社会特有の「同調圧力」や「過剰な生産性への要求」に対する心理的シェルター(避難場所)として機能しています。常にポジティブでいることを求められるSNS時代において、「明日から本気出す…」「だるい…」と公然と言い放つぐでたまの姿は、読者が心の奥底で抑圧している本音を代弁してくれる存在です。
また、視覚的な造形心理においても計算が尽くされています。なめらかな曲線で構成された黄色いボディ、白身の柔らかな質感、そして脱力した手足。尖った部分が一切存在しない「究極の丸み」は、人間の脳に安心感とリラックスをもたらす視覚刺激として働きます。プリッとしたお尻のラインに見られる無防備さは、保護本能を刺激し、「放っておけない愛らしさ」を生み出しているのです。