伝承におけるケサランパサランは「動物なのか植物なのか鉱物なのかすら分からない怪異」とされてきましたが、現代の科学捜査や標本分析により、その正体はおおむね3つのカテゴリに集約されています。各地の博物館や郷土資料館に寄贈された「本物の標本」を顕微鏡で観察すると、驚くほど明確な物理的構造が浮かび上がります。
| 分類仮説 | 具体的な起源・正体 | 構造的特徴・主な発見場所 |
|---|---|---|
| 植物起源説 | ガガイモ、オオトウワタ、アザミ類の綿毛(冠毛) | 中心に小さな種子や核があり、放射状にシルク状の毛が伸びる。空き地や河川敷で風に乗って飛来。 |
| 動物起源説 | 猛禽類や肉食獣が吐き出した毛玉(ペリット)、ウサギの毛 | 中心に骨片などの核がある場合があり、獣毛特有のキューティクルが存在。山林や草むらで発見される。 |
| 昆虫・鉱物説 | 雪虫(トドノネオオワタムシ)の分泌物、オーケン石(アポフィライト類) | 蝋物質による白い粉末状の群体、または放射状結晶の鉱物。持続的な浮遊はしない。 |
山形県の鶴岡市立加茂水族館をはじめ、各地で大切に保管・展示されている江戸時代伝来の「由緒正しきケサランパサラン」の多くを鑑定した結果、鳥類などの猛禽類が獲物の小動物(ウサギ等)を消化しきれずに胃から吐き戻した「ペリット」と呼ばれる獣毛の塊であることが判明しています。風に揉まれて丸まり、雪のように白くフサフサとした球体になったものが、古くから霊物として崇められてきた歴史があります。