音や電磁波による撃退法には、一般に誤解されがちな決定的な盲点が2つ存在します。
1. 超音波の直進性と「障害物による減衰」
周波数が高い音(超音波)ほど波長が短いため、光のように「直進性が強く、障害物に当たると跳ね返る」という物理的性質を持ちます。天井裏に断熱材(グラスウールなど)が敷き詰められている場合、音波は断熱材に吸収され、わずか数メートルで急激に減衰します。また、石膏ボードや柱の裏側、隙間には音が回り込まないため、ネズミが壁の中に潜り込めば全く苦痛を感じなくなります。「1台設置すれば家屋全体に効く」という広告表示は、音響物理学の観点から見て極めて非現実的です。
2. 同居ペット(猫・犬・小動物)への思わぬストレス
「ネズミの嫌いな音 猫」という関連検索が示す通り、愛猫や愛犬がいる家庭での使用には細心の注意が必要です。猫の可聴域は約60kHz、犬は約45kHzまで届くため、ネズミを狙った超音波はペットの耳にもダイレクトに届いています。ネズミを追い出すつもりが、大切な飼い猫が食欲不振に陥ったり、犬が無駄吠えを繰り返したりする健康被害を引き起こすリスクがあります。言うまでもなく、ハムスター、モルモット、フェレットなどの齧歯類や小動物を飼育している環境では、超音波機器の使用は致命的なストレスとなるため厳禁です。
💡 天敵「猫の鳴き声」YouTube動画は効くのか?
猫の威嚇声や鳴き声を大音量で流す手法も試みられますが、これも視覚・嗅覚(フェロモン)の裏付けがない場合、賢いネズミは即座にハリボテであると見抜きます。本物の猫を飼っている家でもネズミ被害が発生する現実を考慮すると、音単体での過度な期待は禁物です。