童謡「シャボン玉」の歌詞に漂う切なさの正体は、詩人・野口雨情が味わった愛娘との早すぎる別れと、乳幼児死亡率が高かった過酷な大正時代を生きる人々の哀切が生み出したものでした。
しかし、この歌は決して悲劇の記録にとどまりません。中山晋平による温かく跳ねるような旋律と合わさることで、それは散っていった無数の命への祈りであり、今を生きる子どもたちへのあたたかな眼差しへと姿を変えました。次にシャボン玉が大空へと舞い上がるのを見上げるとき、その澄んだ透明な輝きの奥にある、100年の歴史と命の尊厳に静かに耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。