写真集『可憐』がここまで多くの読者を惹きつけて離さない最大の要因は、徹底して計算されたロケーション選びと、遠藤さくらさん自身の内面的な成長を捉えたドキュメント性にあります。メインの撮影地に選ばれたのは、青い海と空が広がるロケ地・沖縄本島、そして彼女が生まれ育った故郷である愛知県・名古屋の2都市でした。
沖縄パートでは、開放的なビーチやプール、古民家などを舞台に、これまでグループ活動では見せることのなかった初の水着カットやランジェリー姿にも挑戦しています。当時のインタビューで遠藤さん自身が「最初は緊張したけれど、沖縄の温かい空気のおかげで自然と笑顔になれた」と振り返っていた通り、そこには無理に背伸びをしたセクシーさではなく、朝の光を浴びて微睡むような無垢で清らかな美しさが収められています。
一方、地元・名古屋での撮影パートでは、彼女が幼少期や学生時代に実際に歩いていた街並みや、馴染み深いスポットを再訪。沖縄で見せた非日常の輝きとは対照的に、ふとした瞬間に見せるノスタルジックな眼差しや、安心しきった少女のような柔和な表情が切り取られました。この「非日常の沖縄」と「日常のルーツである名古屋」という二部構成が、1冊の写真集に深い物語性を与えているのです。