雫の現実世界を描いた『耳をすませば』と、ファンタジー世界を描いた『猫の恩返し』では、ムタ(ムーン)とバロンの立ち位置や描かれ方に明確な差異が存在します。2つの作品における設定の違いを整理すると、以下の通りです。
| キャラクター | 『耳をすませば』(現実世界) | 『猫の恩返し』(雫の創作世界) |
|---|---|---|
| ムタ(ムーン) | 言葉を話さない実在の野良猫。電車に乗り、各家庭で「ムーン」「お玉」と呼ばれ気ままに暮らす。 | 流暢に人語を話す猫の事務所の所員。本名は「ルナルド・ムーン」。過去に猫の国の湖の魚を食い尽くした「大罪人」。 |
| バロン | アンティークショップ「地球屋」に置かれた古美術の置物。夜になると動き出すという伝説を持つ。 | 「猫の事務所」の所長を務める紳士的な生きた彫像。優れた剣術と知性を併せ持つ名探偵のような存在。 |
| 物語における役割 | 雫が天沢聖司や地球屋と出会う「現実のきっかけ」。 | 吉岡ハルが迷い込んだ異界から脱出し、自分を取り戻すための「導き手と守護者」。 |
このように対比すると、雫が自身の青春の転機となった存在たちを、どれほど深い愛着と敬意を持って物語のキャラクターに昇華させたかが如実に伝わってきます。